知る楽しみ⑥

 

※皆様のコメント、お待ち申し上げております。ペンネームでOKですよ。


ちょっと、知る楽しみ 四十九

伊万里を楽しむ 四               2022.02-12

古伊万里の世界 ④デザインのおもしろさ③ 

 現代にも通じる「モダンな図柄」を選んでみました。

唐草模様の変形です。一本一本の線をバランスよく、白い皿に丁寧に書きつけていく。職人の技術とセンスの良さは抜群です。気品ある作品です。どこかアイヌの服の模様に似ている気がします。

 

九州で焼かれた伊万里は菰で丁寧に包まれ、大阪や江戸に多量に運ばれました。重量があるので、たぶん船便が利用されたのでしょう。そして料亭に。料理は、何が盛られたのだろうか? 

 円の周りを旺盛に栄しています。二枚とも丁寧に描かれた高級品です。江戸中期に造られたもの 古いものです。

 

円は「雪輪模様」・土井利位が「雪華図鑑」を1832年に出版。ベストセラーになりました。雪は米作りにとって豊作の証。目出度い物でした。その影響を受けて流行した図案? としたら、この皿の製作は江戸末期になります。

Selections of my collection

中心は「寿の字」おめでたい図案です。

さりげなく「菊の花」 

「ブドウ唐草」

帯のような図 細かい筆使いです。

「タコ唐草」模様。

written by 「田木山」2022/02/09



ちょっと、知る楽しみ 四十八

伊万里を楽しむ 三               2022.01-18

古伊万里の世界 ③デザインのおもしろさ①、②    (2022/02/07)追記更新

江戸時代、明治時代の庶民が楽しんだ「古伊万里の美」を発信します。

磁器は、江戸時代から、伊万里を中心にたくさん作られるようになりました。

図案は年々日本的になっていきました。日本人好みのデザインになりました。

日本人好みの図柄は動物(霊獣;麒麟・龍・鳳凰など。虎・鶴・鹿・波ウサギなど)、植物(松・桐・牡丹・紅葉)、「寿」の字。総じて「目出度い」図柄が多いようです。

 以下の品物は大量生産品。絵付け職人は流れるような手仕事で、何枚何枚も同じような絵付をしたと思われます。高級品の「鍋島焼」「柿右衛門」などの絵付けはたいへん丁寧に描かれています。

松にとまった夫婦の鶴

柿右衛門  芥子の花


Selections of my collection

 

  以下はすべて伊万里(江戸時代の物を「古伊万里」と呼ばれています。)

順に「竹に虎」「麒麟」「もみじに鹿」「日の周りに鳳凰」「寿の字」「牡丹」

written by 「田木山」2022/01/18

デザインのおもしろさ②

(2022/02/09) 追記

さてこの皿の面白さは何でしょうか?

古染付皿で江戸時代初期につくられました。

菊の花びらが7枚、皿半分に描かれています。絵のバランスが悪い図です。

ここからは推測です。「妙見信仰」は北斗七星を信仰します。

「妙見様」です。

埼玉では「秩父神社」の妙見信仰が有名です。この神社のお札には妙見様が桑の木を持っています。 

養蚕農家の神様なのです。

北斗七星を「菊の花」に置き換えた信仰に用いた焼き物ではないか?

written by 「田木山」2022/02/07


ちょっと、知る楽しみ 四十七

伊万里を楽しむ 二               2022.01-14

古伊万里の世界「古染付」 

 今回は中国の明王朝末期から清王朝初期のもの。「古染付」とよばれます。景徳鎮の官窯で焼かれたものは高級輸出品、民窯で焼かれたものは、大方が雑器として普及していたようです。

 日本では桃山時代から江戸初期に輸入されました。約400年前,明末から清前期に焼かれたものです。

始めは、茶道具として珍重されたようです。人気が高まり、日本人好みの図案を送り「オーダーメイド」したものまで残されています。

 古染付は中国の職人により多量生産された「雑器」てす。しかし、「陶器」しかなかった当時の日本には「磁器」の光沢、固さ、軽さなどの特徴は珍しく貴重に思えたことでしょう。これらの影響を受けて、伊万里焼は発展し、江戸時代、中国の磁器生産の低下から、日本の代表的な輸出品となりました。

現代でも「古染付」は、独特の魅力が感じられます。古染付の世界の紹介です。

 

麒麟の図  


水墨画。辰砂で鳥と魚に「赤色」が入ります。この赤色を「釉離紅ユウリコウと呼ばれています。」

茶人・富豪商人が、日本から図面を送り焼いてもらったものといわれてます。


Selections of my collection

written by 「田木山」2022/01/14


ちょっと、知る楽しみ 四十六

伊万里を楽しむ 一               2022.01-10

古伊万里の世界 ① 

 写真は伊万里「鳳凰と桐の図」の皿です。

 桐は鳳凰の宿る樹と言われます。

鳳凰は、優れた王様が即位すると現れるという想像上の鳥です。

 中国の伝説を図案化したものです。鳳凰が生き生きと描かれています。

周りの桐は印判です。

 

(江戸中期から江戸末期のもの)

伊万里焼は江戸初期に始まりました。

・初期の伊万里は幼稚な手描き図(主に中国のデザインをまねたもの)でした。

・次の段階には、印判を使い、庶民の大量の需要に対応しされるようになりました。しかし庶民には高価な品物でした。割れた皿を、修理して使っていました。

・江戸中期以降になると、縁起の良い絵柄をデザインし、それを手描きにしました。料亭などで上級身分の裕福商人などに用いられました。

・江戸末期から明治になると化学釉薬(ベロ藍)、型紙を使って皿に印刷したものになりました。

・現在の伊万里は機械で印刷されたものがほとんどです。もちろん高級品は自然釉薬、手描きのものが販売されています。 

 おおざっぱに、図柄、デザインで、その皿の歴史を推理することができます。 

 周りには、蝶の印判がつかわれています。

伊万里の需要が伸びたせいか、様々な判を使い大量生産を行いました。(江戸中期のもの)

 勢いのある伊勢エビが手書きで描がかれています。もしかすると市川海老蔵関係のもの?

(江戸末期から明治のもの)


ここで「クイズ」下の皿はいつごろ製作されたものでしょうか?

Selections of my collection

written by 「田木山」2022/01/10